新型コロナの影響でM&Aを選択するときの判断の基準と注意点

新型コロナの影響でM&Aを選択するときの判断の基準と注意点

新型コロナの影響で、旅行や飲食など、さまざまな業界で倒産が続出しています。経営難に追い込まれたときは、M&Aも選択肢の1つです。大きな影響を受ける前に決断することで、比較的高額で売却できる可能性があります。ここでは、新型コロナの影響でM&Aを選択するときの判断基準と注意点について詳しくご紹介します。

■新型コロナの影響を受けている中小企業はどのぐらい?


引用:中小機構

 

中小機構は、令和2年4月27~30日の期間で、全国の中小企業および小規模企業約2,000社に対し、アンケートを実施しました。4月度の前年同月比が大幅にマイナスになった企業は41.1%、将来的にマイナス業績が発生すると考えている企業は79.2%です。

 

マイナス影響の要因は、国内の営業と販売への影響が25.7%、国内外出・移動の制限が17%、国内の物流・生産への支障が13.8%となっています。

 

つまり、新型コロナの影響で外出自粛や国内外への輸出入などに支障が出たことが、マイナス業績に深く関係しています。

 

■被害が大きい場合の選択肢

新型コロナの影響が大きい場合は、次の選択肢から最適な方法を選びましょう。

倒産する前に自ら廃業する

倒産する前に、自ら廃業することも1つの選択肢です。倒産は、社会的不名誉に感じる方もいますが、自ら廃業することに対してマイナスイメージを持つ人は少ないのではないでしょうか。倒産と比べて従業員や仕入れ先にかかる負担を抑えられることもメリットです。

 

また、経営状況が大きく傾く前に廃業すれば、資産をある程度残すこともできるでしょう。何より、経営者としての責任から解放されることで、精神的に楽になります。

経営方針やビジネスモデルを見直す

経営方針を大きく変更したり、ビジネスモデルを見直したりすることも大切です。新型コロナによる影響は、外出や輸出入の制限などが大きな要因のため、小さな工夫では再起が難しいでしょう。経営方針を大きく変更したりビジネスモデルを見直したりすれば、利益が大きく飛躍する可能性もあります。

 

運よく利益が伸び続けて、そのままメイン事業の1つになる場合もあるでしょう。守りの姿勢ではなく、ときには攻めの姿勢を持つことも重要です。

M&Aで株式や事業を譲渡する

M&Aで株式や事業を第三者へ譲渡するのも1つの方法です。株式譲渡で会社を丸々譲渡する場合、経営者は退任することになります。その際には、創業者利益を受け取れるため、今後の生活費にあてたり、新たに会社を設立したりするための資金になるのです。

 

人生の立て直しを図れるため、M&Aは追い込まれたときに前向きに選択したい方法と言えます。また、会社を譲渡するのであって、倒産するわけではありません。そのため、従業員の雇用や取引先との関係を守れることもメリットです。

 

取引先との関係性が強い場合、自社が倒産することで取引先も倒産するケースがあります。M&Aは思っている以上に多くの人の生活を守れる場合があるのです。

他社と業務提携を結ぶ

他社と業務提携を結ぶことも1つの方法でしょう。業務提携で他社と協力関係を結ぶことで、新型コロナによるピンチを切り抜けることが可能です。他社が持つ技術や人材、ノウハウ、資金などと自社の経営資源を組み合わせ、シナジー効果(相乗効果)を得られます。

 

新製品を共同開発したり、生産や製造の工程の一部を委託したりするほか、お互いの販路や製品、商品を共有する方法もあります。どのような業務提携がベストか、専門家を交えて十分に話し合うことが大切です。

 

■M&Aを選ぶかどうかの判断基準

M&Aを選ぶかどうかは、慎重に決めることが大切です。それでは、M&Aを選ぶべきかどうかの判断基準を詳しくみていきましょう。

買い手企業がいるか

M&Aを選択する場合、そもそも自社の買収を希望する買い手企業がいるかどうか確認が必要です。買い手企業がいなければ、譲渡は実現できません。自社の特徴や買収のメリットを考えて、どのような買い手企業がいるか考えましょう。

 

また、仲介会社やアドバイザーに相談して、買い手候補を探してもらうことが大切です。自分のイメージとは大きく離れたニーズが見つかる可能性があります。自社のどの部分に注目して買収を希望するかは、完全には予測できません。

 

どうせ買い手は現れないと思いこむのではなく、まずは相談することが大切です。

従業員の雇用を守れるか

M&Aを選択するメリットである従業員の雇用維持を実現できるか考えましょう。M&Aの条件に従業員の雇用継続を掲げ、買い手候補と交渉することが大切です。また、従業員の給与アップを条件に掲げることもできるので、現状の給与では従業員の満足度が低い場合に検討しましょう。

企業価値が十分にあるか

企業価値が高くなければ、買い手候補は現れません。また、企業価値によって譲渡額が決まるため、企業価値が低すぎると創業者利益も少なくなります。経営者はM&Aによって収入源がなくなるので、できるだけ高く売却したいところでしょう。

 

企業価値には、人材や技術、ノウハウ、取引先、ブランドなど、無形の資産も含まれます。そのため、決算書の内容だけで企業価値は判断できません。無形の資産については、専門家に価値を算出してもらい、適切な金額で譲渡することが大切です。

 

■M&Aに成功するためのポイント

それでは、M&Aに成功するためのポイントを詳しくみていきましょう。

できるだけ早く行動を始める

いずれ経営状況が改善することを願ってズルズルと経営を続けるのではなく、早くM&Aを実行した方がいいでしょう。ズルズルと経営を続けるうちに資産が減少し、従業員の待遇が悪くなることで人材が流出する恐れがあります。

 

そうなれば企業価値が下がって、高額で売却できなくなるでしょう。経営判断は、いつでも迅速かつ的確に下す必要があるため、M&Aを検討している方は早めに専門家に相談することが大切です。

焦って譲渡先を選ばない

譲渡先は、焦って選ばないことが重要です。早く売却しようと思って譲渡先のことを十分に調べずに契約すると、大きなトラブルが起こる可能性があります。従業員の雇用条件を守らなかったり、契約を破棄したりするケースがあるのです。

 

大切な会社と従業員を守るためにも、譲渡先は慎重に選びましょう。

信頼できる仲介会社・アドバイザーを選ぶ

仲介会社やアドバイザーも慎重に選ぶことが大切です。仲介会社は、買い手と売り手を繋げることが主な役割で、譲渡価格を上げる交渉は行いません。あくまでも中立的な立場でサポートします。

 

アドバイザーは、買い手と売り手それぞれが契約します。交渉を有利に進めることが役割のため、会社を高く売却したいときに依頼しましょう。仲介会社やアドバイザーは、買い手の選定やスケジュール調整、クロージングのサポートまで行えます。

 

まずは、M&Aの検討段階から相談して、信頼できるかどうかチェックしましょう。また、自社の業界に詳しく、実績が豊富な担当者に任せることが大切です。

 

■まとめ

新型コロナの影響で経営難に陥った企業は多く、今後も影響が長期にわたって及ぶことが予想されます。M&Aを早めに検討することで、結果的により多くの創業者利益を得て、従業員の雇用を守ることができます。M&Aを検討している方は、仲介会社やアドバイザーに相談しましょう。

加藤良大
M&Aに関する実績は200本以上。M&Aの基本情報から仲介会社・アドバイザーの選び方まで、様々な記事を執筆。難しい言葉を使わず、現場の実情まで踏まえた正確かつわかりやすい記事が好評。
人事・労務や法律、不動産、医療など専門的な分野を幅広く執筆している。累計実績14,000本以上、ライター歴7年。

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