M&Aに関わる業界へ転職したければ、 事前に取っておきたい資格

M&Aに関わる業界へ転職したければ、  事前に取っておきたい資格

M&Aでは、複数の企業同士が密接に連携してシナジー効果を生む、経済のダイナミズムに関わることができます。また、収入面でも高水準が保証されることが多いです。他業界からの転職先として競争が激しいので、M&A関連資格を取得していると転職に有利となります。具体的にどのような資格があるのでしょうか。

■M&Aに関わるなら、どれか1つは取得しておきたい「3大民間資格」

M&Aエキスパート(認定資格)

M&Aエキスパートは特に、中小企業における事業承継の側面からのM&Aに関する実践的な知識を重点的に身につけることができる点が特徴です。

 

金融財団事情研究会と日本M&Aセンターが共同で企画し、運営しています。金融財団事情研究会は、会計系の資格のひとつとして人気のFP(ファイナンシャルプランナー)資格を、日本国内で普及促進させた先駆けのような存在であり、金融関連の雑誌を多く発行してきた伝統ある機関です。また、日本M&Aセンターは、国内でのM&A仲介実績No.1を誇る組織です。

 

M&Aエキスパートは試験によって選抜され、M&Aに関して、網羅的な知識を習得できます。
基本的な知識を身につけることができる「事業承継・M&Aエキスパート」から始めるときでしょう。ただ、業界への転職を有利に進めるなら、養成スクールも併設された上位資格である「事業承継シニアエキスパート」「M&Aシニアエキスパート」にもチャレンジしてみるといいでしょう。

M&Aスペシャリスト(資格)

M&Aスペシャリストは、1965年以来、半世紀以上にわたって、国内の経営者や経営コンサルタント、会計担当者などを育成してきた日本経営管理協会が認定しています。そこで、M&Aに精通した「経営コンサルタント」を認定しているところが特徴的です。M&Aに多く関わる経営コンサルティングファームへの転職を目指すのであれば、M&Aスペシャリストを取得しておくと有利になるでしょう。資格試験によって選抜されますが、受験資格が無く、門戸が広く開かれているところも特徴です。

 

M&Aスペシャリストの資格を取得した後であっても、年に1~2回の更新指定研修によって、知識やスキルを最新のものにアップデートできます。また、M&Aスペシャリスト大会などにチャレンジして、研鑽を深めることも可能です。試験に合格すれば終わりでなく、時代の要請に合わせて自らを成長させていきたい意欲のあるM&A人材に適しています。

M&Aアドバイザー(M&A事業者)

M&Aアドバイザーは、一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)が認定しています。2010年に発足した新しい機関ですが、国内の中小企業をとりまく事業承継問題に、M&Aという手段を通じて正面から取り組んでいる点においては、前に述べたM&Aエキスパートとも共通するところがあります。

 

ただし、M&Aエキスパートとは異なり、資格試験は課されず、講座の受講によって取得できる資格である点が、M&Aアドバイザーの特徴でもあります。

 

受講の資格に制約はありません。まずは入門セミナーで基礎を学び、養成講座を経てM&Aアドバイザーの資格を取得します。
受講後はJMAAに正会員として入会することによって、本格的に活躍できる運びとなります。JMAAに入会すれば、M&Aの関係者と多くの人脈を築くことができるため、クライアントやビジネスパートナーを得ることも難しくなくなるメリットがあります。

 

■M&Aのデューデリジェンスに専門家として関わることができる国家資格

弁護士

デューデリジェンスは、M&A契約の相手方について、契約後に思わぬトラブルが起きないよう、事前に徹底調査する手続き一般を指します。デューデリジェンスでは特に「財務(税務)」「法務」に関する調査を行なうことが重視されます。

 

弁護士は法律系資格としては、最も著名なもののひとつです。M&Aの法務デューデリジェンス全般、さらにはM&A契約の締結手続き自体にも関われます。
法律事務所に所属し、M&A契約を締結する企業からの依頼を受けることもありえます。ただ、M&A契約を仲介する企業や、M&A案件に関わる経営コンサルティングファームへの転職に有利だと考えられています。こうした弁護士を組織内弁護士(インハウスローヤー)と呼び、安定した働き方ができる点で注目を集めています。

 

弁護士資格を取得するには、司法試験の合格と、1年間の司法修習の修了が必要です。司法試験の受験資格は、法科大学院(日本版ロースクール)の全課程を修了するか、予備試験に合格することによって得られます。司法試験は5年間で5回の受験制限がありますが、法科大学院ができる前(2003年以前)よりも、合格しやすくなっています。

公認会計士

公認会計士は、財務デューデリジェンスに関わりますが、それだけでなく、将来のM&Aの計画立案にも関わることができるのが特徴です。

 

また、税理士(後述)の業務をも行えるため、財務系の最高峰資格者として珍重されることが多いようです。
監査法人に所属し、クライアントの依頼を受けてM&A案件に関わることがありますが、M&A契約を仲介する企業や、M&A案件に関わる経営コンサルティングファームに就職することで、組織内会計士(インハウスアカウンタント)として関わる働き方も重視されています。

 

公認会計士試験に合格するだけでなく、2年間の会計実務経験(会計業務の補助経験)や2年間の補習、さらに補習修了の考査(最終試験)をクリアすることによって初めて、公認会計士を正式に名乗ることができます。

税理士

税理士は、M&Aの税務面について、統括的にM&A契約当事者からの相談を受け、コンサルティングによって関わることができる国家資格です。
小規模な企業でも税理士との関わりは深いことが多いため、小規模企業のM&A案件、すなわち事業承継問題の解決を主要目的としたM&Aで、財務上の点検を一手に引き受けることがあります。

 

税理士資格は、税理士試験の全5科目に合格し、さらに2年間の実務経験を経ることによって取得できます。一度の機会に全科目の総計で合格点を超える必要がある司法試験や公認会計士試験とは異なり、「科目合格制度」が設けられている税理士試験では、全5科目を数年に分けてクリアするなど長期計画によって最終合格を目指す人が多いです。
一方で、税務署での勤続を条件にするなど、無試験で税理士資格を取得できるルートも設けられています。

司法書士

M&Aに不動産取引や組織再編などが伴うと、不動産登記や商業登記の専門家である司法書士の出番です。また、法律実務家として弁護士と並び称されるほど、伝統ある国家資格です。比較的小規模なM&A案件であれば、弁護士の代わりに司法書士が法務デューデリジェンスを担当することもあります。

 

司法書士試験に合格することによって、取得できる資格ですが、現在の司法書士試験は、司法試験よりも難関だという声もあります。特に民法は、司法試験よりも細かい知識が問われることが特徴です。

 

■まとめ

M&Aに関わる資格は、M&Aに関する専門度が高い3大民間資格と、M&A以外でも専門性を発揮できる汎用性の高い国家資格群があります。両方持っていると、業界内で引く手あまたの存在になれるでしょう。

みそしる
紙媒体も含めて10年を超えるキャリアがあるフリーランスライター。法律・経済・政治のコンテンツ制作を得意とする。

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